ポリフェノールによる腸内細菌叢およびメタボロームの変化と生体調節機能の関係
近年、腸内環境が健康に与える影響が注目されており、腸内細菌叢のバランスが肥満や糖尿病、老化、さらには認知機能の低下など、多くの疾患に関与していることが明らかになっています。特に、腸と脳が相互に影響を及ぼし合う「腸脳相関」が健康維持の鍵を握ることが示唆されています。また、食品に含まれるどの成分が生体調節機能に寄与しているのか?また、どの様な作用メカニズムなのか?を明らかにすることは食品の「安心・安全」の面からも非常に重要です。生化学的分析、組織学的分析、遺伝子解析、代謝物測定、腸内細菌叢解析などにより解明しています。
本研究では、腸内細菌叢解析やメタボローム解析を用いて、ポリフェノールが腸内細菌によってどのように代謝されるのかを解析し、その代謝物が腸内バリア機能や炎症応答に与える影響を明らかにします。また、老化や認知機能の改善・低下抑制など、生体調節機能への関与についても検討し、腸内細菌を介したポリフェノールの健康機能を解明することを目指しています。
